保険
保険とは、偶然に発生する事故(保険事故)によって生じる財産上の損失に備えて、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭(保険金)を給付するための制度をいう。
簡単に言えば、保険とは、将来発生するかもしれない災難に備えて、人々がお金を出し合う仕組みである。
社会保険と民間保険
保険のうち、国(または公法人)が運営する保険を「公的保険」または「社会保険」、損害保険会社や生命保険会社などの民間企業が運営する保険を「私的保険」または「民間保険」という。
民間保険(私的保険)は、保険に入りたい人のみが加入する「任意加入」の仕組みをとっている。
それに対し、社会保険(公的保険)は、条件を満たした人は全員加入する「強制加入」の仕組みをとっている。
社会保険のメリットは、次の通りである。
- 金銭的な余裕のない等の理由により民間保険に加入することができない人も、社会保険から保障を受けることができる。
- 多くの人が保険料を支払うことにより、多くの保険料を集めることができ、手厚い保障を受けることができる。
- 多くの人が保険料を支払うことにより、1人当たりの保険料が安く抑えられる。
日本の社会保険の分類
- 広義の社会保険
- 狭義の社会保険
- 医療保険
- 職域保険
- 被用者保険
- 健康保険
- 協会管掌健康保険
- 組合管掌健康保険
- 国家公務員等共済
- 地方公務員等共済
- 私立学校教職員共済
- 船員保険
- 健康保険
- 国民健康保険組合
- 被用者保険
- 地域保険
- 都道府県・市町村管掌国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
- 職域保険
- 公的年金
- 厚生年金保険
- 国民年金
- 介護保険
- 医療保険
- 労働保険
- 労働者災害補償保険(労災保険)
- 雇用保険
- 狭義の社会保険
なお、一般的には、会社員が対象となる「健康保険」と「厚生年金保険」を合わせて「社会保険」と呼ぶことが多い。
職域保険・被用者保険・地域保険
職域保険とは、加入する保険が職業・職種によって決まる保険である。
職域保険のうち、企業等に雇用されている人が加入する保険を被用者保険という。
地域保険とは、加入する保険が居住地域によって決まる保険である。
参考文献
加藤智章・他(2015)『社会保障法(第6版)』有斐閣
吉田正敏(2017)『図解・社会保険入門の入門』税務研究会出版局
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